乳酸菌は、ビタミン合成をすることも、できるんです。人が作ることのできないビタミンを作ってくれます。ビタミンは、私達が健康や美容を維持するためには欠かせない栄養素なんです。腸内細菌である乳酸菌が体内で作り出すビタミンには、どのようなものがあるのでしょうか?
目次
腸内細菌が体内で作るビタミンとは?
腸内細菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)が腸内で合成するのは、以下のビタミンです。乳酸菌などは、ビタミンCを原料として、ビタミンB群を体内で作成するのです。
・ビタミンB1(サイアミン) |
ビタミンは糖質の代謝を促したり、血液を作る働き、免疫機能を正常に保つ働き、さらに骨を健康にしたり、血液を固める働き、肌や髪の毛を健康に保つなど健康面や美容面においても重要な栄養素です。
なお、酸素の少ないところに住んでいる腸内細菌にとっては、酸化を防ぐという必要性がないため、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化(酸化を防ぐ)ビタミンは作らないで、水溶性ビタミンのビタミンB群を作るようです。
【 ビタミンB1の働き 】(サイアミン)
糖質をエネルギーに変えるのに必要な補酵素の働きをするので、ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝ができず、乳酸などの疲労物質がたまることになり疲れやすくなります。
糖質は脳のエネルギー源のため、充分に脳に補給されないとイライラしたり怒りっぽくなりやくい。
また、脳の中枢神経や手足の末梢神経の調整をするので、不足すると、手足のしびれや反射神経の異常等の症状が起こります。
【 ビタミンB2の働き 】(リボフラビン)
脂質の代謝を促進するため、脂質の摂取が多いほどビタミンB2の必要量が増えます。
また、皮膚・髪・爪の再生に関与したり、有害な過酸化脂質を分解します。
【 ビタミンB3の働き 】(ナイアシン)
脂質や糖質、タンパク質を分解してエネルギーを作る酵素の働きを助けます。
細胞の生まれ変わりをサポートしてくれるので、生まれ変わりの早い皮膚・粘膜の健康維持を保ちます。
その他、アルコールの分解を助ける働きがあるため、二日酔いを防いだり、毛細血管を広げて血行を良くする効果もあります。
ナイアシン(ビタミンB3)は、脳内の『セロトニン』(脳内の幸せホルモン)という神経伝達物質ホルモンの原料となるので、不足するとセロトニンの分泌量が少なくなって、心の安らぎを感じにくくなり不安感が大きくなり、うつ病に発展する場合があります。
【 ビタミンB5の働き 】(パントテン酸)
ビタミンB3と同様に、脂質や糖質、タンパク質を分解してエネルギーを作る酵素の働きを助けます。また、ストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを活発にして、ストレスへの抵抗力を高める働きをします。
【 ビタミンB6の働き 】(ピリドキシン)
たんぱく質の代謝に不可欠で、たんぱく質の摂取が多いほどビタミンB6の必要量が増えます。
抗アレルギー作用があり、免疫機能を正常に維持します。
脂質の代謝もサポートし、肝臓に脂肪が蓄積するのをセーブするので、ビタミンB6を多く摂ることで、飲酒が多い人は、脂肪肝を防げる効果もあります。また、生理前の不快な症状や、つわりを軽くしてくれます。
【 ビタミンB7の働き 】(ビオチン)
皮膚の炎症を起こすヒスタミンを抑制することでアトピー性皮膚炎を改善したり、糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助けたり、アミノ酸の代謝にも関わってコラーゲンの生成も促進することで、 爪や髪の毛を新しくして白髪、抜け毛を予防します。
また、皮膚を作る細胞を活性化させ、皮膚の正常な新陳代謝・肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を正常化する働きもあります。
【 ビタミンB9の働き 】(葉酸)
赤血球や細胞の新生に必須。
胎児の正常な発育に不可欠で、妊娠・授乳中は特に必要になります。
【 ビタミンB12の働き 】(コバラミン)
葉酸と共に悪性貧血を防いだり、神経細胞内の核質やたんぱく質を合成、修復します。
【 ビタミンKの働き 】(フィロキノン)
出血時に血を固めます。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助けます。(骨そしょう症の治療薬としても認定)
ビタミン不足にならないためにも乳酸菌が必要
以上の様に乳酸菌は、整腸作用、免疫機能、アミノ酸の合成の他に、ビタミンの合成も可能で、ビタミンを合成することができない人間にとっては、とても貴重な腸内細菌です。
腸内に悪玉菌が増えることで、善玉菌である乳酸菌は減少して、その働きを低下させてしまいます。そうなると体内でビタミンを作り出すことが出来なくなってビタミン不足にも、なりかねません。
普段から、腸内に乳酸菌(善玉菌)を増やすための対策をとっておく必要があります。