現代社会では、毎日、さまざまなストレスにさらされています。仕事や家庭でもたくさんのストレスが発生していて、このストレスが腸内環境を悪化させて、便通を異常にして便秘や下痢を引き起こしています。緊張すると便秘になったり、下痢になったりすることがありませんか?
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こんなことはありませんか?
仕事のある平日は便秘で出ないのに、休日になると快便ですっきり出せるなんていう生活していませんか? ストレスが原因で便秘になっています。阪神淡路大震災でも東日本大震災でも被災者の多くが便秘になったという事実が示すように、大きな精神的ストレスは普段便秘でない人にも、一瞬にして便秘にしてしまうのです。
そのまま放っておくと、どんどん腸の働きが悪くなってヒドイ便秘に進行してしまうので、早めの対応が肝心です。人が感じるストレスは大きなものから小さなものまであるし、同じ環境にいても人それぞれストレスを感じる度合いは違います。大きな精神ストレスはもちろん、ちょっとしたストレスの負荷によっても便秘が引き起こされる可能性が高いのです。
脳と腸の密接な関係
と言うのも、人が作られるときには、脳よりも先に腸から作られます。そして腸壁には数多くの神経細胞が張り巡らされていて、脳とは別に独自に働くことができる唯一の臓器なため、第二の脳とまで言われています。
脳と腸には密接な関係があると言われています。緊張して脳がストレスを感じると、胃が痛くなったりすることもあるように、脳がストレスを受け、自律神経のバランスが崩れると、胃腸の働きが低下して便秘や下痢になったり、血行不良、肩こり、頭痛なども引き起こしてしまうのです。
自律神経は、体内の代謝や消化に関連してコントロールしており、腸は、自律神経のひとつである副交感神経によって制御されているのです。なので、副交感神経に乱れが生じると、排便ための機能である『腸のぜん動運動(便を腸から肛門へ運ぶ動き)』が正常に作動しなくなります。
自律神経が乱れて腸のぜん動運動が過剰に働くと、まるで痙攣(けいれん)したような状態になります。そして腸が引きつったように収縮を繰り返してしまうと、通常ならば肛門へ運ばれるはずの便が、反対に逆戻りして 腸の中を行ったり来たりする状態が起こります。そのため、便はスムーズに排出されないために便秘になってしまうのです。
ストレスとセロトニン
ストレスには、セロトニンというホルモンが大きく関わっています。脳内の幸せホルモンと呼ばれる『セロトニン』(心の状態を整える働きがある神経伝達物質ホルモン)が不足していると自律神経のバランスが崩れやすくなります。
脳内にセロトニンが不足すると幸福を感じたり、心を落ち着かせたりすることができにくいため、精神的な安定を得にくいことで不安感が大きくなり、自律神経失調や鬱病(うつ病)を引き起こしてしまいます。
ストレスはセロトニンを減少させます。そして、長期に渡ってストレスを蓄積すると、セロトニンの基本分泌量が少なくなるばかりでなく、セロトニンがなくなってしまう恐れがあります。
セロトニンを増やすには
セロトニンを増やすには、医薬品の処方というやり方もあるのですが、薬を使わなくても食べ物を変えることで治療することが可能です。セロトニンの原料となる『トリプトファン』を多く含む食品を摂ることで、ストレスによって減ってしまった脳のセロトニンの量を増やすことができます。
たんぱく質を多く含む食物にトリプトファンは含まれており、動物性(肉や魚、卵やチーズなど)と植物性(大豆や豆類、穀類など)のタンパク質がありますが、植物性タンパク質のほうが脳内でのセロトニンの材料として利用されやすいと言われています。
腸内環境を整えておくことが必要
セロトニンは脳内で心を落ち着かせる働きをする(全体の2%)以外にも、腸内の活動を手助けします。せっかくセロトニンの原料のトリプトファンをたくさん摂っても、悪玉菌が増えすぎているために、腸内環境が悪化していると、腸内で作られたセロトニンのほぼすべてを腸内環境を改善することに優先して使うので、脳内に送る分が無くなってしまい、セロトニンを脳に増やすことができません。
つまり、いくらトリプトファンを多く含む食品を摂取したとしても、腸内環境が整っていなければ、脳内へ供給されないということになるのです。腸内環境を善玉菌の多い整った状態にしておくことが重要なのです。
腸内環境を改善するには乳酸菌(善玉菌)
腸内環境を整った状態にするには、腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やしてあげる必要があります。食生活や生活習慣を改善したり適度な運動をしていくことでも改善されますが、とても時間がかかってしまいます。
比較的短期間で、腸内環境を改善するには直接、乳酸菌(善玉菌)を外部から摂るのが一番です。しかも、数多くの乳酸菌を手軽に毎日摂取して腸内環境をずっと整えておくには、乳酸菌を濃縮したサプリメントがベストです。
外部から摂取した乳酸菌は腸内に住みつくことはできないので、こまめに毎日摂る必要があります。保存も簡単で手軽に毎日続けることができて、カロリーも気にすることがないとなれば、乳酸菌サプリメント以外に考えられません。
副作用を考えて、薬(医薬品)に頼らずに治療していくには、トリプトファンを多く含むタンパク質をしっかり食べることと、腸内環境を整えるための乳酸菌の摂取の両方が必須です。
ストレスによる便秘気味を放っておくのは危険!
さして現状の便秘ぎみなのを特に心配されない方は良いですが、便秘以外にも身体の不調として、免疫力が弱くなったり(風邪をひきやすくなったなど)、アレルギー症状(肌荒れ、アトピー、ニキビ、花粉症など)がひどくなった、不眠症、からだがだるい・重い感じがするなど思い当たる場合は、早めに対策をとるべきです。
軽い便秘のうちはまだ良いですが、放っておくとセロトニンが無くなって精神的な病気にまで発展する危険性があります!外部からのストレスを受けても腸の働きに影響しないようにするためにも、腸内環境を整えて、自律神経の異常にも対応できるようにしておきましょう。
私も以前、仕事(人間関係)のストレスから便秘になり、同時に軽いうつ病的な症状が出ていましたが、腸内環境を改善して便秘がなくなると、自然とうつ病的なマイナス思考から徐々にプラス思考になれた経験があります。それまでは、特に便秘とうつ病の関係も意識していなかったのですが、腸内環境を整えておくことがいかに大切かを実感した出来事でもありました。