ニンニクの殺菌力が、腸内フローラを悪化させるの?

ニンニクは体に良いというイメージがありますが、殺菌力が強いので腸内フローラを傷めるのでは、という心配もあります。にんにくの殺菌力は、腸内フローラを悪化させてしまうのでしょうか?

ニンニクの殺菌力

ニンニクには、健康に良い効果を色々ともたらします。疲労回復、抗酸化作用、血液サラサラ、血圧降下作用、抗癌(ガン)作用などです。

 

その中でも一番の効能・効果は、ニンニクの強烈な臭いの成分である『アリシン』の持つ強力な「抗菌・殺菌」作用です。

 

その効果はとても強力で、12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などを殺菌する抗菌力があるとも言われています。

 

それだけアリシンの抗菌・殺菌作用は強力なので、量を摂りすぎると腸内細菌である悪玉菌も善玉菌もすべて殺してしまう威力があります。

 

有害物質を作り出して腸内環境を悪化させる悪玉菌だけを死滅させてくれると良いのですが、腸内フローラを良くして健康を保ってくれる善玉菌までも死滅させてしまいます。

 

なのでニンニクの摂り過ぎには注意する必要があるし、特に、空腹時に生のにんにくなどを多く食べたりしないようにしないと胃腸を傷めることになります。

 

空きっ腹にニンニクを食べると胃腸障害や、胃痛や腹痛が起きたり、腸内に住んでいるビタミンを作り出すビタミン生産菌も殺すことになります。

 

ビタミン生産菌が少なくなると、ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチン、パントテン酸といったビタミンが不足しやすくなり、口角炎や舌炎、酷い場合は皮膚炎などの症状が起こる可能性があります。

 

適量であれば、・・・

ニンニクの強力な抗菌・殺菌の効果について述べてきましたが、適量を摂っていれば腸内フローラを改善する効果も持っているのです。

 

ニンニクの臭いの成分である『アリシン』は、大腸で作られた便を肛門まで運ぶ運動である腸のぜん動運動を促進する作用があります。

 

また、ニンニクの中にあるオリゴ糖の成分は、胃や小腸では消化吸収されずに大腸まで届いて、善玉菌の代表のビフィズス菌の栄養分(エサ)となって善玉菌(ビフィズス菌など)を増やすという働きがあります。

 

適量のニンニクを摂る分には、腸内に善玉菌を増やしてくれるので、腸内フローラを良くしてくれる食材ということが出来ます。

 

ニンニクは、腸内フローラを良くも悪くもする!

ニンニクの持つ香りと、味に含まれる特有の刺激は、胃腸を刺激して胃液の分泌を促進したり、胃腸の働きを活発にするので、食欲が増進されます。

 

また、にんにくに含まれるアリシンにはタンパク質を分解し、消化を促進させる働きもあることから、食欲不振を改善するのに役立ちます。

 

このようにニンニク料理は、食欲をそそり、ついついニンニク自体を食べ過ぎることになりやすいのです。

 

ニンニクは、適量を摂れば腸内フローラを改善してくれるのですが、摂りすぎると腸内フローラを悪化させるので、どちらにもなってしまう食材であると言えます。

 

ニンニクの適量は、注意点は?

ニンニクの健康効果が現れるまでの時間は、男性と女性では違いがあります。女性の場合はニンニクを食べた後およそ6時間で効果が現れ始めますが、男性はその倍の12時間程かかります。

 

また、1度食べると2日間は効果が持続します。しかし、1度に食いだめをしても、それに見合う効果が期待できるというわけではなく、逆に胃が痛くなったり、下痢や腹痛を起こしたりすることもあります。

 

ニンニクは体にいい食材ですが、刺激が強く殺菌力も強いので食べすぎは、胃や腸に負担をかけすぎて痛めてしまいます。

 

購入したニンニクの大きさによって多少違ってくるとは思いますが、1日の適量としては、生なら1片、加熱したものなら2~3片を摂るのが成人の適量です。

 

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