便秘で便が出そうになっているのに、固くなって中々出てこない時に、長い時間、いきむのは危険です。
体に色々なトラブルが発生してしまいます。腸の働きが正常になると、いきむ必要なくスッキリ出せますよ。
目次
いきんで出すと危険な理由
無理して、いきんで便を出そうとすることは、とても危険な行為です。
いきむことで、身体に様々なトラブルを発生させるのです。代表的なトラブルが下記の2つです。
・肛門周辺の損傷の危険 ・血圧が急上昇することによる危険 |
肛門周辺の損傷の危険
水分が少なくなって固く太いウンチは、出口の肛門周辺で詰まった状態になっているため、無理やり出そうとすると簡単に肛門を傷つけてしまいます。
無理やり出して肛門が裂けると切れ痔になってしまいます。
硬い便が続くことで、排便の度に肛門を傷つけてしまうので、慢性の切れ痔になって悩むことになります。
さらに大きく太く固くなった便を無理やり出すと、切れ痔どころでは済まないで、お尻の締りをコントロールしている括約筋まで傷つけてしまって、括約筋が緩みっぱなしになると、便漏れ・便失禁を引き起こすようになってしまいます。
血圧が急上昇することによる危険
いきむと肺から血液が急激に心臓に送られ、血圧が40~60mmHgも上昇する場合があり、脳の血管に強い圧力がかかると血管が切れて脳卒中になったりしやすくなります。
いきむ時間が長くなればなる程、脳卒中になる確率が高くなります。ちなみに、脳卒中で倒れる人の20%は、トイレの中のようです。
さらに冬の時期には、寒いトイレでは、体温を逃さないよう毛細血管が収縮するため、血圧も上がります。
冬の寒さと、いきむ動作が加わると一層血圧の上昇が激しくなるため、脳卒中の危険性が高くなってしまいます。
いきんで出さなければならなくなる原因
便の質が良ければ、いきむ必要もなく、スルッと簡単に出るはずなのですが、腸内に悪玉菌が増えてしまって腸内環境が悪化している状態では、便の質が悪くなって腸内をスムーズに通過して肛門まで移動しにくくなります。
さらに、腸内を移動しにくいために、余計に便の質が悪くなって固くなるために、肛門から出る直前に詰まってしまい、いきんで力を加えないと出ていかない状況になっています。
食生活や生活習慣の乱れによって悪玉菌が増えると、悪玉菌の作る有害物質が腸内に増えてしまい、そのうち腸は有害物質によって働きが低下します。
腸の働きが低下するということは、腸内の便を肛門まで運んで移動させる働きをする腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)も弱まることを意味します。
腸の蠕動運動が機能しなくなると、便は長い時間、腸内にとどまることになり、その間は腸壁から水分を必要以上に吸収されてしまうことで、便の水分がなくなり固くなってしまうのです。
腸内環境を悪化させる原因となる食事があります。あなたの食生活は、大丈夫ですか?
→ 腸内に悪玉菌が増える原因となる食事で、腸内環境を悪化させていませんか?
では、どうして便の質を良くするか
便の質を良くして、スルッといきまないで出すためには、腸内に善玉菌を増やして腸内環境を改善することです。
善玉菌が多いと善玉菌が作り出す乳酸は弱酸性のため、腸内が酸性に保たれます。
このことが腸を刺激して蠕動運動を活発にする働きを持っているので、腸内の便がスムーズに腸から肛門まで移動させられ、程よい硬さの便が、スルッと短時間で出るようになります。
→ 腸内環境を整える(改善する)とは? おすすめの方法とは?
スルリと排便するには
便の質を良くしても、必ずしも毎回、スルリと排便できるとは限りません。体調によっては、便が出にくい日もあります。
そんな時に、できるだけスムーズに出す方法を知っておくのは良いことです。
前かがみになる
上半身を立てたまま便座に座ると、直腸と肛門の角度は直角になっていてるため、肛門が閉じられて便が漏れないようになります。
上半身を前かがみにすることで、この直腸と肛門がまっすぐに一直線になって、便が出やすくなります。
かかとを上げる
便座に座っている時に、前かがみになると同時にかかとを上げることで、腹筋に力が入りやすくなります。
いきまなくてもスッキリ出せます
腸内に善玉菌を増やして腸内環境を整えると、腸の働きが正常になって、腸の蠕動運動が活発に働くようになります。
きちんと腸が働いていると、ちょうど良い柔らかさの便が、スルッと快便になって出るようになります。
ほとんどいきむ必要なく、短時間でスッキリ出せることほど幸せなことはありません。
本来、大便する時は、いきむ必要などないのです。いきむことは身体に大きな負担をかけて、痔や脳卒中などの危険をもたらすので、早めに腸内環境を整えて、いきまないで排便できるようにする必要があります。