耐え難い便秘で、どうしても下剤(便秘薬)に頼らなければならなくなったら、下剤で腸内環境は悪化するのでしょうか? 下剤を多用すると、腸内環境は悪化します。
どうしても下剤に頼らなければならない時もある
便秘を放っておくと、おなかが張って傷みを伴って苦しかったり、吹き出物や肌荒れになったり、最悪の事態では大腸がんやポリープなどに至る可能性もあるので、早めに薬(下剤)を使ってでも改善した方が良いです。
しかし、だからと言ってウンチが出にくければ、常に下剤(便秘薬)を使って出すようになると、副作用なども心配ですが、一番怖いのは依存症になって、下剤なしではウンチすることが出来なくなってしまうことです。
下剤について
下剤には、市販の手軽に服用出来る「刺激性下剤」といって、腸を刺激して、腸のぜん動運動(ウンチを腸から肛門まで運ぶ動き)を促進するタイプのものと、便の水分量などを増やして、便が腸内を動きやすくするタイプがありますが、即効性があり一般的に使われるのが、刺激性下剤です。
腸のぜん動運動は、自律神経(特に、副交感神経)がコントロールしており、その副交感神経は乳酸菌など腸内細菌の活動や便の重さなど、様々な刺激を受けることによって、ぜんどう運動を調整しておりますが、腸のぜんどう運動が自然な形で起きない場合は、刺激性下剤により強制的に刺激を与えてぜん動運動を促進させることになります。
しかし、あまりに下剤の使用を続けると、外部からの刺激に対して慣れてしまい、下剤が効きにくくなり、さらにひどい便秘になり、また下剤を服用するという悪循環を引き起こす危険性があります。
大腸メラノーシスとは?
また、下剤服用の副作用として下剤に含まれる成分のメラニン(メラニン色素)が、大腸の粘膜に沈着し真っ黒に近い色になる『大腸メラノーシス』になってしまうこともあります。大腸メラノーシスになると、大腸の機能が全体的に低下してしまいます。
下剤を使いすぎることで大腸の神経が鈍くなることで、便秘の症状が悪化していきます。便秘が続くと、腸内に悪玉菌が増えて腸内環境は悪化していきます。
さらには、患部が硬くなってしまいポリープや大腸がんが出来やすくなる場合もあります。その原因となる下剤の服用をやめれば、半年~2年くらいで、大腸に沈着した色素は消えるようです。
大腸機能を維持するためにも下剤は、必要最低限の使用に控えましょう。薬に頼り過ぎないようにするためにも、腸内環境を整え自然なお通じができるようにすることが大切です。
合わせて読みたい記事