便秘も長期間も続いてしまった慢性便秘になると、カラダのあちこちに不具合(不調)が出てきます。慢性便秘を治すには、便秘の種類と原因をチェックしてみることが、大切です。
まず、便秘の種類を見てみましょう。
目次
便秘の種類
便秘の原因は、人によって異なり、分類すると、機能性便秘(習慣性便秘)が4種類と器質性便秘の計5種類に分けられます。見分け方を記載しています。
症状に合った対処をするためにも、自分の便秘の種類はどれなのかを自己診断して、把握しておきましょう。
1.機能性便秘
a) ◆弛緩(しかん)性便秘◆ (大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が不活発)
大腸の蠕動運動が不活発なことや腹筋の低下で、便を肛門まで押し出せず、腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。
特 徴:便秘の中でも頻度が高く、高齢者や出産後の女性に多い。
その他の症状:おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなど。
原 因:腸内環境の悪化、運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど。
b) ◆けいれん性便秘◆ (大腸の過緊張による蠕動運動の活発異常)
心理的ストレスにより、副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎることで、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。
特 徴:食後に下腹部痛、残便感などの症状があることも。また下痢と便秘を交互にくり返して起こしやすい。
原 因:精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群など。
c) ◆直腸性便秘◆ (便が直腸に滞留状態)
便が直腸まで来ているのに便意を感じずに、直腸に便が滞留してうまく排便できなくなるタイプ。
特 徴:高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多い。
原 因:便意を我慢することで便意が消えてしまうことが習慣化するため。
d) ◆食事性便秘◆ (食物繊維不足)
食物繊維の不足により、腸壁への適度な刺激がなくなることで便意が起きないタイプ。
原 因:食物繊維の摂取不足や、食事量が極端に少ない。
2.器質性便秘(通過障害)
イレウス(腸閉塞)、腸捻転、大腸がん、腸管癒着などの器質的な原因があって、消化管(小腸・大腸)に通過障害が起こるタイプもしくは、腸の形状異常(長さや大きさの異常)によって消化管に通過障害が起こる対応。
原 因:イレウス(腸閉塞)、腸捻転、大腸がん、腹膜炎、腸管癒着、腸の形状異常(長さや大きさの異常)による通過障害
※ 血便、激しい腹痛、嘔吐などがあればすぐに病院へ行きましょう。
※このような便秘では腸管穿孔を起こすおそれがあるので下剤を使用してはいけません。
安易に便秘薬(下剤)には頼らないこと!
便秘=便秘薬(下剤)ということで、どうしても医薬品に頼ってしまいますが、便秘薬(下剤)を使いすぎると、自分の排便力で排泄することができなくなってしまいます。
日本人に一番多いタイプである、大腸のぜん動運動が不活発による弛緩性便秘であれば、医薬品である便秘薬(下剤)でなくても、副作用を心配しないですむ乳酸菌やオリゴ糖により善玉菌を増やすことで、腸内環境を改善し、腸の蠕動運動を活発にして、便秘を解消することもできます。
便秘薬(下剤)を使い続けることは、非常にからだにとって危険です。
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