大便が固くて困っています。便(うんち)を柔らかくする食べ物の代表としては、食物繊維を多く含むものが挙げられますが、その中でもより効果のある食べ物をご紹介いたします。
目次
便が硬くなる原因
どうして便は固くなってしまうのでしょうか? 便がかたくなって出にくくなる原因としては、以下の3つがあります。
・水分不足 |
【 水分不足 】
水分をあまり摂らないでいて、身体が水分不足だと認識すると、身体は水をなるべく取り込もうとする働きが動き出します。腸は、便の中に含まれる水分までも、通常以上に吸収してしまいます。必要以上に水分を吸収された便は、硬くなってしまう訳です。
不足する水分を摂る必要がありますが、単に水を飲めば良いというものではありません。水分の摂り方にもちょっとしたコツがあります。
【 不溶性食物繊維の摂り過ぎ 】
便秘には食物繊維が効果があると認識している方が多いと思いますが、食物繊維も摂り方によっては便を固くしてしまうように働きます。それは不溶性食物繊維を摂りすぎることです。
不溶性食物繊維は、水分を吸収するので、便に水分を与えて柔らかくするように思えますが、実際は、便の中に大量に不溶性食物繊維が含まれると、不溶性食物繊維は水に溶けないため便と混ざりにくいし、滑りは悪くなります。さらに、ウンチ自体の水分も奪って、便を固くしてしまうことになります。
→ 便秘を引き起こしてしまう?食物繊維(野菜)の摂り方の注意点は
【 腸の働きの低下 】
腸内環境が悪化して腸の働きが低下すると、腸から肛門まで便を移動させる動きの蠕動運動も弱くなります。腸の蠕動運動が弱いと、便をスムーズに移動することが出来ません。当然、腸の中にいる時間が長くなってしまうことで、必要以上に腸が便から水分を吸収されて、便は固くなってしまいます。
→ 腸内に悪玉菌が増える原因となる食事で、腸内環境を悪化させていませんか?
腸の働きが低下するのは、腸内に悪玉菌が増えて悪玉菌の作る有害物質によって腸がマヒさせられるからです。
便を柔らかくする食べ物とは
便が固くなる原因については、理解いただけたと思います。便を柔らかくする食べ物の中でも、より効果のある代表的な食べ物について、一つ一つ説明をしていきたいと思います。
ゴボウ
便秘に効果のある食物繊維をたくさん含んだ野菜と言えば、代表的なものとして、『ゴボウ』があります。ゴボウの良い成分は、イヌリンとサポニンです。
【 イヌリン 】
ごぼうは、イヌリン(多糖類の一種)という水溶性食物繊維を多く含みます。イヌリンは、腸内で発酵分解されると『フラクトオリゴ糖』になり善玉菌のエサとなって善玉菌を増やします。善玉菌を元気にして、腸のぜん動運動(ウンチを腸から肛門まで運ぶ動き)を活発にするので、便を柔らかいうちに排出することができます。
イヌリンのスゴイところは、悪玉菌を増やすこと無く、善玉菌のみを増やすというスゴ技を持っているところです。
イヌリン以外の難消化性デキストリンやポリデキストロースといった水溶性食物繊維は、残念なことに善玉菌も増やすのですが、悪玉菌も増やしてしまうのです。
イヌリンは腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂った糖質の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病予防に効果的です。
【 サポニン 】
また、ゴボウの皮にはサポニンというポリフェノールがあります。サポニンの持つ、脂肪吸収を抑制する効果は、コレステロール値を抑えるだけではなく、ダイエットにも効果があります。
サポニンは、血中の悪玉コレステロールを分解して除去したり(ダイエット効果)、体内で血栓をつくり動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する効果があります。
らっきょう
らっきょうは、食物繊維をたくさん含むのですが、他の野菜が不溶性食物繊維を多く含むのと違い、水溶性食物繊維を多く含んでいます。
ラッキョウの代表的な良い成分は、フルクタンと硫化アリルです。
【 フルクタン 】
ラッキョウに含まれる水溶性食物繊維の一つに『フルクタン』と呼ばれるものがあり、フルクタンは、善玉菌などのエサとなり、善玉菌を元気にして食後の血糖値の上昇を抑えることで、糖尿病の予防効果や、腸内の余分な水分を吸収し、ウンチを適度な硬さにしたり、コレステロールを吸着して体外へ運ぶ働きをしています。
また、フルクタンが腸内でコレステロールや胆汁酸を吸着して、一緒に排出することで、コレステロール値の上昇を抑え、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防に効果があります。
【 硫化アリル 】
独特の刺激臭と辛みがある硫化アリルは、強力な抗酸化作用により、有害な活性酸素を除去・消去してくれるため、生活習慣病の予防が期待できます。
また、硫化アリルは、血液凝固を遅らせて、血液をサラサラにする働きがあるため、動脈硬化や心臓病の予防効果があります。
さらに、硫化アリルには、身体を温めて発汗を促し、殺菌作用もあるため、風邪や発熱のときにも症状を緩和する効果があります。
バナナ
バナナは、ペクチンのような水溶性食物繊維とセルロースのような不溶性食物繊維の両方をバランス良く含んでいます。
バナナの代表的な良い成分は、ペクチンとフラクトオリゴ糖です。
【 ペクチン 】
バナナに含まれる食物繊維のうち、不溶性食物繊維のセルロースは、腸内で有害物質を吸着して排出し、腸のぜん動運動を促進して、ウンチをちょうど良い固さで排出できるようにします。水溶性食物繊維のペクチンは、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の働きを活発にしたり、腸内の余分な水分を吸収し、便を適度な硬さにしたり、コレステロールを吸着して体外へ運ぶ働きをしています。
また、バナナに含まれるペクチンはコレステロールから作られる胆汁酸の排泄を促進してコレステロールや中性脂肪を下げる作用があります。
【 フラクトオリゴ糖 】
バナナは糖質の中でも比較的消化されにくい糖質の一種「フラクトオリゴ糖」を含み、そのまま腸まで届き、善玉菌のエサとなって腸内環境を改善し、便秘や下痢など便通異常を整えてくれます。
サツマイモ
さつまいもは、豊富に含まれる食物繊維と、さつま芋にだけ含まれる『ヤラピン(ヤラッパ樹脂)』のダブル効果で便秘に良いと言われています。
【 食物繊維 】
サツマイモに含まれる食物繊維の働きですが、腸内のコレステロールを胆汁と一緒に水溶性食物繊維が吸着し、再び体内に吸収されるのを防ぐことで、コレステロール値を低下させたり、ナトリウムを吸着して、塩分が体内に吸収され過ぎないように調整して血圧を下げる作用もあります。
不溶性食物繊維は腸壁を刺激することで、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進するので、便を腸内に留めることなく、程良い固さで排出します。
【 ヤラピン 】
皮に近い部分に多く含まれている糖脂質の一種であるヤラピン(さつまいもを切った時に出る白い乳液上の成分)は、緩下作用(腸を刺激し、穏やかに排便を促す作用)があるので、食物繊維とのダブル効果で便通改善に作用します。
【 レジスタントスターチ 】
その他、さつまいもには、便を柔らかく出すのに効果的な成分として『レジスタントスターチ』と呼ばれるものがあります。
レジスタント(消化されない)スターチ(デンプン)は、難消化性でんぷんまたは、耐性でんぷんとも呼ばれ、不溶性食物繊維の働きをします。小腸では消化されずに大腸まで届き、善玉菌(ビフィズス菌)の栄養分となって、善玉菌を元気にすることで、腸内環境を整えて便通を良くしてくれます。
腸内環境が悪化している場合は
ごぼう、らっきょう、バナナ、さつまいもなどは、ウンチをやわらかくするのに優れた食材で、それ以外にも健康によい効果がたくさんあります。
食物繊維をたくさん含み、食物繊維以外にも便をやわらかくしてくれる食物をたくさん摂ることは、お通じ(便通)に良いことですが、1日に必要な約20gの食物繊維を食事だけで摂るには、かなり多くの量を摂る必要があります。一度にためて摂るのでは意味がなく、毎日続けて摂る必要があるのです。
ウンチを柔らかくしてスッキリ出したいと思っている方は、すでに腸内環境が悪化して悪玉菌が増えている状態にあります。より効果的にウンチをやわらかくして、スッキリ出すためには、食事で食物繊維を摂るだけでは不十分です。
短期間でやわらかウンチにするには
短期間でほど良い固さのウンチが出るようにしたいのであれば、サプリメントで乳酸菌(善玉菌)や食物繊維やオリゴ糖が一緒になったものを摂ると、より確実に楽にウンチを出せます。サプリメントであれば手軽に摂れるので、食事で十分に食物繊維が摂れない時も、サプリメントの量を調節して多めに補うことも可能です。
私も、ウンチが固くなると大変つらい思いをして、必死にリキんで出していたのですが、ほんのちょっとした毎日の習慣を続けるだけで、こんなにも短期間で快便になれるとは思っていませんでした。
毎朝決まった時間にトイレに行くと、ほんの数秒でスッキリ出し切ることができる生活を想像してみて下さい。自宅で身軽になってから、学校や仕事に出ることが出来るようになると、1日の生活が大きく変わります。
当然、老廃物や有害物質をウンチと一緒に毎日排出しているので、体の内側からキレイになって、健康、美容においても改善されます。
実際に乳酸菌サプリを使って試した体験記をまとめてみましたので、参考になればと思います。
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